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ラップバトル「呂布カルマ VS MU-TON」(凱旋冬ノ陣2020決勝) に救われたこと|魔法陣完成で大歓声

呂布カルマ VS MU-TON

こんにちは、まおです。
今日もいい夢、見てますか✿

今日は私の好きなHIPHOP・MCの呂布カルマさんのラップバトルをご紹介したいと思います。

僕自身HIPHOPには全然詳しくなくて、Youtubeでラップバトルを観るのが好き、くらいのただのミーハーです。
なのでラップバトルについて全く知らないでも読めると思いますが、多少なりとも概要を知っておきたい方は下記(外部リンクです)くらい知ってれば大丈夫だと思います!

この夢(バトル)に救われる人:
・ミーハーな人
・カリスマに弱い人
・言葉に重みがある/芯の強い人が好きな人

ご案内

バトルあらまし

紹介するのはこんなバトル
  • 2020年1月19日にZeppDiverCityTOKYOで行われた、「凱旋MC Battle 東西選抜冬ノ陣2020」の決勝戦
  • パンチラインメーカーの呂布カルマ VS フロウノリノリのMU-TON という、スタイルの大きく異なる二人の対決
  • 「魔法陣」のバースは(僕が)一人で「うおわ~っ」と思わず声を上げてしまったほど秀逸で美しい

感想と救われポイント ~”今”、”ココ”で、完璧に言い負かす「言葉の魔法」~

呂布推しをごり押し

先に白状、というか宣言させてもらうと、僕は呂布カルマさんのファンです。大好きです。
なにが好きかって言うと、もうね、

とにかくとにかくカッコいい

・・・なんの説明にもなってないですか?なってないですねはい、すみません…
いやーでもこれはもう見てもらうしかないかも、見てもらえれば分かるはず!(雑!)

ってわけにもいかないので少し具体的に書くと、とにかく呂布さんは

言葉が重たいMC

なんですよね。

言葉が重たいってどういう状態やねん!

ってなると思うんですが、いや、そう…言葉の重み、「言霊」って、面白いなあって思うんです。
僕もよくわかんないし、客観的な説明をするのが難しいんですが、でも、確かに、ある。と、僕は感じていまして。

それは僕が曲がりなりにも役者をやっていたからかなあとも思うんですが、
僕なりに感じていることを簡単にまとめると、

  • 今まさにこの瞬間に紡いだ言葉である
  • 相手を言葉によって言い負かす、倒す、傷つける、覚悟がある
  • 経験に裏打ちされた自信がある

っていう、ことかなと。
ラップバトルと芝居の共通点、「言霊」については別記事に書いたのでそっちが気になった方はこちらからどうぞ!

Fantastic Magic

で、肝心のバトルの話に入るんですけど。

今回はまず、実際にバトルを観ちゃってください♪


いやいや、まずはお前のプレゼンを聞いてから観るか決めてやろうじゃないか

という方は、読み進めてください、ありがとうございます!!


注目すべきは延長戦です。
(と、1度目のバトルで勝敗が決しなかったことをバラしちゃいます、すみません!)

もちろん1回目も呂布さんは、

俺とお前がライバル? 空いた口がふさがらない同じじゃない
俺やることやってるMC、お前と同じにされちゃたまったもんじゃない
俺の頭溜まってないここで出す新鮮なrhyme(ライム)吐き出し中

成長しねえヤツだなお前も(中略)
俺と昔やった時みたいな自己紹介の延長
未だにやってんのかよenjoyしていこう、相手は俺だぜこれ以上ねえっしょ

と(※まお耳コピ)、ビートに合わせた小気味よいバースを繰り出しています。

呂布さんのいいところは、もちろんいくつもあるんですが、

韻やフロウが、大げさではないけどたしかに小気味よくそこにある

っていうのは1つだと思います。

よく呂布さんて、

ただ喋ってるだけ

フロウを感じねえ

みたいなディスを受けるんですけど、実際はそんなことないんですよね。

フロウが割とたんたんとしている時も多かったり(ビートの波に合わせて歌うのではなく、平板にのぺーっと棒読むような感じ…伝わりますかね??)、バースの意味内容が相手に深く突き刺さりすぎたりで軽視されがちですが、韻や言葉の連関を細かくさりげなく散りばめてますし、フロウだって、引用部分は結構音にハマってて気持ちいいです。

とまあ、予防線を張るようにプレゼンしちゃいましたが、呂布さんの本領がいかんなく発揮されるのが延長戦です。

まずノッケで(呂布さんが先攻です)

蝶のように舞い、ふらりふらり、蜂のように8小節を4発ズブリ

と話します。
(この、蜂とか蝶ってバトル見てるとよく出てくるんですけど、なんでも『蜂と蝶』(SOUL SCREAM)って名音源のサンプリングみたいですね。…ってくらいには、僕自身HIPHOP素人です汗)

その後、有名な「フリースタイルダンジョン」でMU-TONさんがモンスターの呂布さんと闘わずしてリタイアした件の応酬があります。これに関して呂布さんは、

俺は別にダンジョンの話自分からしてない、お前からしたクセに手のひら返し
手のひら返しされるのなんか慣れてる、パタパタパタパタいい音が聞こえるぜまったくよぉ

とディスるんですが、ここでMU-TONさんは

パタパタ飛ぶよ、そりゃ蜂と蝶が流れてっからよ!

と返し、ここで観客は盛り上がりを見せ、流れはMU-TONさんに傾くように見えます。
そして歓声の消えやらぬうちに、続けて

あれ? 財布とこれ、ジャケット忘れちゃって、呂布さん、緊張してるんすかね?

と揶揄します。

これはちょうど延長戦になる際、攻守を交代して立ち位置が入れ替わったことで、MU-TONさんの立つ側に呂布さんの私物が置いてあったことによります。

正直僕はこの辺で、

わーこりゃMU-TONかなあ…

と思ったりしました。

が、そこは呂布さん。あまりにも綺麗な切り返しで反撃するんですね。

パタパタ飛ぶんじゃねえ、蝶はふわりふわりだぜそれもわかってないの頭わりい
そこに財布、そこにジャケット、木とサングラスで魔法陣完成

・・・いや、天才かよ!!!!

って感じじゃないですか????

うおわ~っ…ふぇーっ⤴(にやにや)

ってのが、実際に僕が挙げた歓声でした。

手のひら返しの「パタパタ」を鉢と蝶の精神として正当化して切り返したMU-TONさんの巧みなアンサーを、最初に述べた「ふわりふわり」の方だとのっけで否定して見せ(それも頭わ「りい」と韻つきで)ます。

し、なんと言っても魔法陣!!!!
MU-TONさんに指摘された財布とジャケットがステージの隅2か所にあったことを受け、自分でサングラスと木の棒を追加で残りの2隅に置いて「魔法陣」…。

あまりに美しすぎる。

直前のMU-TONさんのディスが巧い返しだったこともあり、それをさらにひっくり返したことでまさに相手の攻撃を倍にしてはね返す魔法の盾になった感じがします。
実際観客の歓声も「蜂と蝶」の返しの時を越えています。

完璧だぜ、俺の描いた掌の上で踊ってら
お前ら見てみ、これがFantastic Magic HIPHOP ラップ、お前の心に刻むぜ

この「魔法陣」が、延長戦の決勝点になった感があります。
勝敗を決める観客の声は、1本目に比べて大分呂布さんに偏り、圧勝の体をなします。

まさに今この瞬間利かせた機転であること

相手のクリティカルヒットの直後にそれを上回るクリティカルを出したこと

相手の巧みな攻撃自体にもアンサーを返したこと

あたりが、手が挙がるポイントでしょうか…

まさに言葉を駆使して場の流れと観客の気持ちを動かす「Fantastic Magic」ですし、
それを淡々と、こともなげにやってのける呂布さんだからこそ、「俺の描いた掌の上で踊ってら」が圧倒的な重みをもって、覆せない壁となるんだと思います。

こんな言葉を操れるようになりたい…

特別なスキルがなくても誰にでも扱える「言葉」の、限られた人にしか扱えない「魔法の力」を目の当たりにさせられて、奥深い世界の存在を証明されたようで救われます。

コンテンツ紹介 ~あさき夢見ばや~

いかがでしたでしょうか…?
実はこれ、この決勝戦だけでなく大会全体の動画が、Youtubeに上がっています。

気になった方は是非観てみてください…!
呂布さんの決勝までの各試合も、激アツ必見です✿

まおの耳コピによる、決勝戦の呂布さんのバースも置いておきますので、動画と合わせてぜひ堪能してみてください!

16小節×2本

【1バース目】
 ムーちゃん、8の4じゃなく16の2だぜお前が選んだ、
途中俺入りそうもなかったのに「待て」とか言ってんのどこの誰?
 俺とお前がライバル? 空いた口がふさがらない同じじゃない、
俺やることやってるMC、お前と同じにされちゃたまったもんじゃない
 俺の頭溜まってないここで出す新鮮なrhyme(ライム)吐き出し中、
ドロドロになったスペルマみたく喉の奥にこびり付くやつ
 お前ら忘れられないぜ、きっと帰った後思い出すのはどっち? 
やっぱ憎たらしいけど一番MCマイク握るのは呂布だってな

【2バース目】
成長しねえヤツだなお前も。ふくらんだコンドームに穴開いて、
どっかの布団を汚しちまうみたいに前のMCと変わらない
俺と昔やった時みたいな自己紹介の延長、
未だにやってんのかよenjoyしていこう、相手は俺だぜこれ以上ねえっしょ
いつだって決勝でここに立って、血と涙と汗の結晶をぶつける
俺相手に16・2を選んだ時点で首ちょんぱ即死決定
YO! 即製してくれ測定不能のrhyme(ライム)置いてけぼり、
お前んちで、大麻吸わないぜ俺いらないぜ舐め達磨
8小節×4本(延長)

【1バース目】
蝶のように舞い、ふらりふらり、蜂のように8小節を4発ズブリ、
一発じゃ死なない二発でヒエラルキー、即死決定
YO! 俺が蹴ったrhymeのあと追いかけて、いくつものMCが穴にハマって、
上がってこれないフリースタイルの罠、お前もハマっちまったみたいだな

【2バース目】
せっかく俺がお前に華もたせてやったのに、あのダンジョン、
たった2本で諦めて帰ったの誰よ?裏で立ちションしてたのは俺の方
あそこで負けてないんじゃなくて負けるの怖くてションベンたらした
俺たちは知ってるぜ次に待ってたのはFORK、スライド、ストレート、全部決める

【3バース目】
お前が歌うのはここ、ここまでここ以上はない見たとこ
俺が歌うのはここどころかメディアのその先ってこと
俺は別にダンジョンの話自分からしてない、お前からしたクセに手のひら返し
手のひら返しされるのなんか慣れてる、パタパタパタパタいい音が聞こえるぜまったくよぉ

【4バース目】
パタパタ飛ぶんじゃねえ、蝶はふわりふわりだぜそれもわかってないの頭わりい
そこに財布、そこにジャケット、木とサングラスで魔法陣完成
完璧だぜ、俺のかいた掌の上で踊ってら、
お前ら見てみ、これがFantastic Magic HIPHOP ラップ、お前の心に刻むぜ

最後までお読みいただき本当にありがとうございました!
それでは、また。あさき夢の狭間にて ✿

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