このブログのご紹介 ようこそ

ラップバトル「呂布カルマ VS KZ」(戦極MCBattle第19章)に救われたこと|強心臓の大爆走

呂布カルマ VS KZ

こんにちは。まおです。
今日も今日とて生きづらい、です、ね。よろしき夢に、酔いましょう✿

今日は僕が「おーし、ここ勝負時!」ってときにパワーをもらうラップバトルを紹介します。
会社員時代には重要なプレゼンの前とか、会社辞めてからは演劇の通し稽古に入る前とか、

気合入れて臨みたいぜ~、ぶち上げたいぜ~~

ってときに、何度も何度もお世話になりました。挫けそうな気持を救われました。

僕の大大大好きな、勝手に(本当に勝手に)「漢の生き様の師」と仰ぐラッパー、呂布カルマさんのバトルになります。

僕自身HIPHOPに大して詳しくないので小難しい記事ではありませんが、それでも基礎的なことちょっとでもかじりたいよって方は、下記リンク(外部サイト)なんかおすすめしておきます…!

この夢(バトル)に救われる人:
・「男の戦い」的なものが好きな人(戦国武将、新撰組、三国志etc…)
・カリスマに弱い人
・言葉に重みがある/芯の強い人が好きな人

ご案内

バトルあらまし

紹介するのはこんなバトル
  • 2019年3月31日に川崎クラブチッタで行われた「戦極MCBATTLE 第19章 -The King Of Fantsista 3on3 -」の2回戦第2試合の代表戦
  • 激重言霊量産の戦神・呂布さんと激戦区大坂からの刺客、梅田サイファー・KZのバトル
  • とにかく見ればわかる、呂布さんの勢いが、迫力が、熱が、止まらない。言葉の重みがココにある。

感想と救われポイント ~激走、爆走、古今無双~

しばし、鑑賞タイム…

とにもかくにもバトルを観て頂くのが早いと思います…!
面倒な前振りとかいらんから…って方は、2:08 あたりから視聴頂けばよいかと…!

…どうですか? 観た? 観ました?

どうですか? ね? すごくないですか??

うーん(にやにや)…あまりにあまりにすぎるな…

って感じじゃないですか…!?

ひゃー、か、カッコいい~~っ…

っていう感想しか湧かないですね。

神だ…荒ぶる戦の神がいる。誰も止められない、感…

だなあと思って、初めて観た時、本当に一人でずっとスマホ見ながらにやにやが止まりませんでした。

解説とか特にない、観りゃあその凄さは分かる!って感じでもあるんですが、流石にあんまりなのでもう少し書きますね。

もう分かったから、お前の話はいいから!
とりあえず呂布さん、ないし「もー勝ってまんねん」(呂布さんのいるチーム)の全試合観たいぜ⤴

って方は、こちらからどうぞっ♪(雑…でもそれくらい、この試合は解説いらずな圧倒さだと思っていまする…)


強心臓、が大暴走

色々言いたいことはあるんですが、最も手が挙がるのはやっぱり、「強心臓」のくだりですよね⤴

あんた見てると俺は悲しくなる、ほんとに裸の王様っていうか、
なにも持ってねえから、あんたは一生懸命キャラを作ってる
呂布さん、普段はめっちゃええ人、俺は何度もしってるからそれをしってる
一生懸命、震えた手隠して、マイク握るあんた見ると寂しくなんぜ

という、KZの「楽屋裏の暴露」的なdisに対し、「うるせえ、知らねえ」とハネのけた後で、

俺は強心臓、から流れる血液に溶けてる酸素の量がちげーから手が震える
それは仕方ねえ、ビビってるわけじゃねえ、俺のrhymeを聴けばわかるっしょそれくらい

「手なんか震えてない」って意味の返しだってできると思うんですが、

あえて相手のdis(震える手)には乗った上で、臆病者のレッテルだけを真逆にひっくり返す

っていうのが、観客を巻き込んで手を上げさせる「言葉の力」なんだと思います。うーん…返す返す美しい。

で、実際このフレーズ自体の機転というか、言葉の操り方自体もそれだけで鳥肌なんですが、もっといえば、やっぱり冒頭4小節、KZの「化けの皮剥がし」戦法をまさに「吹き飛ばす」呂布さんの勢いがキーだと感じます。

いや、ダッセぇくっせぇ余計なお世話、俺が強くなるとか知らねぇ
お前がやるべきことをやれ俺は俺でやるからほっとけ

まあ、文字に起こしてしまえばそれだけなんですが、逆に言えばここはそれだけ、先の「巧みな返し」、つまりレトリックの巧拙とは全然違う、本人の生身から出る「気迫」「前のめりさ」という要素が前面に出ているとも言えます。

正直、KZが引き合いに出した「楽屋裏」的な話って、やっぱ多少動揺するというか、

そーれを言ってくれんなや~~

みたいな、事実(であれば)が故の返しづらさ、弁明(アンサー)に窮する部分ってあると思うんですよ。
それを表舞台に出すことの戦法の是非は個々人の好みに委ねますが…

だからここで「グッ、」って「痛いところを衝かれた怯み」感が少しでも出てしまったら、「強心臓」のくだりもこれほど爽快な倍返し攻撃にはならなかったかもしれません。

本当に「純粋なレトリック」の巧さだけが残るというか、なまじ巧いだけに勢いがないと返って痛々しい感じ、言い訳感というか、焼け石に水感、というかにも繋がりえた。

そうならなかったのは、冒頭でいきなりKZのdis全体の空気を押しのけて自分のペースに引き込んだから、というところがミソな気がしました。

ちなみに僕は「楽屋裏」的な応酬は単純にあんまり好きじゃないです。真偽がイマイチわかんないし。
そりゃ舞台上と実生活がいつも全く同じってわけにもいかないだろうし、そんなのは折り込み済みで、それでもMC達にカッコいい姿を求めに来てんだから、そこに水差すのって興醒めだなっていうか…
だからその「ブラックボックスについての不毛な応酬」を長続きさせず、スパッとシャットアウトしたっていう部分も、呂布さんのアンサーのカッコいいところなのかもしれません。

言葉の輪郭、密度、信憑度

そして全体を通して思うのはやっぱり、抽象的な言い方ですが、呂布さんの「言葉の重さ」じゃないでしょうか。

勢い、とか、気迫、って単語をここまでも使ってきましたが、僕は「言霊」っていう概念をわりと信じていて。

全然、まだあまりうまく言えないのですが、

本人がそれを本当にそう思っている度合い

っていうのは、一つ重要な要素なんじゃないかなって、気がします。

よくありませんかね…?
例えば友だちとかといて、最近流行の楽曲とかが話題に上っているとき。

なんかこの場で知らないとバカにされそう、とか、単に反射的に、とかで知りもしないのに

あ、うん、聴いたよー…

って答えるのと、
自分が本当にそれを聴いてて、そんで自分自身その曲がめっちゃ好きで、何度も何度も聴いて、歌詞も覚えてて、他人が話題に挙げなければなんなら自分から推してたくらいの曲だったときに、

あ、うん、聴いたよー!

って答えるのとでは、まったく同じ台詞(言葉)でも、全然違った感じになるのは想像に難くないと思うんです。
(上の吹出しはほんとに文字だけなのでニュアンスの差を記号で足しちゃいましたけど、要はこの「記号」に当たる部分。)

言葉としては、言語=意味内容としては全く同じでも、実際に聴いてないときはその「中身」のスカスカ感というか、ああできるだけ突っ込まれませんようにって「腰が引ける」感じは、イメージできるんじゃないでしょうか…?

言葉=「意味」が同じであれば「伝わる内容」も同じかと言われれば、全然そんなことはない。

当たり前っちゃ当たり前なんですが、その違いを生み出す言葉の重み、みたいなものを「言霊」として、僕は今のところ口にしていると思います。

今の楽曲の例は前者は実際には聴いていない=嘘なので、話が極端ですけど、でもこれ、嘘をついていない場合にも言えると思うんです。嘘ではないこと、自分で思って言っている(はずの)ことでも、自分が言葉にするときの軽重は千差万別に異なっている。

また楽曲の例で恐縮ですけど(そして先よりはピンときづらいかもですが)、例えば。

最近流行ってて自分も「ああいい曲じゃん」って思っているくらいの曲(実際に聴いているし、好きなのも嘘ではない)と、自分が昔から追っかけてる大好きなアーティストの、中でも最も好きな曲、なんならそれ聴いて「人生変わった!」「救われた!」って思っているくらいの曲とだったら、同じ「好き」で同じように「推す」としても、その前のめり度、言葉の密度、本気度、は変わってくるんじゃないかなあと思うです。自分にとって「致命的」かどうか、っていう。

ここ、興味あるわりに勉強不足なので、学習していずれまた「言霊」だけで記事書きたいと思います…すみません。まあ日本はなんていったって、「言霊の幸ふ国」(万葉集)ですからね…学ぶことは多いはず!
…はい、精進します。トホホ。

ええと…すみません、遠回りしましたが、それで言うと、やはり、呂布さんの言葉は、圧倒的に重いなあと思うんです。

KZだって梅田サイファー(ラップを聞いたこと一回もないくらいの時期の僕でさえ、この名前は聞き覚えがありました)のラッパーですし、呂布さんへ向けた、愛ゆえのdis、も、本心から呂布さんに「HIPHOP界のためにも上がっていって欲しい」と思っているんだろうなあ、とは思うんです。だけど、それでもやっぱり、何かが違う気がする。

俺がカッコつけてるって? カッケぇだろそりゃ仕方ねえ

こことか顕著だと思いますね。

こんなん、言葉(台詞?)としては誰だって言える。特にラップ的に優れた技巧(韻とかレトリックとか)は一切ない。

それでもこれだけ歓声が上がるってのは、ひとえに、なんとなく言ってるとか、ラッパーのあり方として言ってるとかじゃなくて、

”本気で”心底から思っている

からなんだと、それが聞く側も肌で感じられるからだと思うんです。

これが呂布さんのバトルではバース全編でそうなんだから、もう言葉の密度がすごいというか、にやにや、そう、言葉が重たすぎて、輪郭が鮮明すぎて、霊性を感じすぎて、にやにやしちゃうんですよねー……。

言葉っておもっしれぇ~~っ…

っちゅーのと、

呂布さんカッケぇ~~っ、こうなりてぇ~~っ…

っちゅー思いで、いかにも贅沢なバトルだなあと、思うで、ありまする。


コンテンツ紹介 ~あさき夢見ばや~

いかがでしたでしょうか…?

テンション上げの方法って人それぞれあると思いますが、ラップバトルという、「生の言葉」を浴びるってのも、選択肢の一つに加えてみて頂けるといいのかなと、思いますっ♪

この大会、この試合以外もベストバウト(名試合)が多いので、ラップバトルそのものに興味が湧いたという方は、こちらを入門にしてみてもいいかもしれません! チーム戦ってやっぱ見ててアツいですしね…!


最後に、この試合の呂布さんのバースの文字起こし(まおの耳コピですっ)を置いておきますね!力強い!言葉!をば!!

16小節×2本

【1バース目】
いや、ダッセぇくっせぇ余計なお世話、俺が強くなるとか知らねぇ
お前がやるべきことをやれ俺は俺でやるからほっとけ
俺は強心臓、から流れる血液に溶けてる酸素の量がちげーから手が震える
それは仕方ねえ、ビビってるわけじゃねえ、俺のrhymeを聴けばわかるっしょそれくらい
マイクまだ持つなよ、16も運べねえヤツがなぜ16を選ぶ
俺は言葉を選ぶ、しょうもねえことは言わねえ言わんでもわかっしょ
簡単にやる、これは客商売ない、俺と俺との勝負、の間、お前らを付き合わせてやってるわけ、楽しめ

【2バース目】
うるせぇ、脱線、俺がどこに行くとか勝手、ほっといてくれ
センコー気取りか、線香上げてやるぜ、お前の真っ白なTシャツ、似合っちゃいねぇ
俺がカッコつけてるって? カッケぇだろそりゃ仕方ねえ
カッコーのつけかた知らねえヤツのラップなんて見てらんねえんだよな
俺がrhyme飛ばそうがなんだろうがお前は順番飛ばされてrhymeする順番さえ回ってこない、だろ?
俺は飛ばしたってまた来る、羽生結弦のように何回転だってする
たまには躓く、でもそれさえ胸躍らす、分かってる
これが大人のrhymeの打ち方、お前らの熱血先生じゃねえんだこちとら

プレゼン主旨と少し毛色が違うので書きそびれましたが、このバトル、呂布さんはビートアプローチもいいですよね。
リズムキープが固くて耳心地もいい。何度も何度も楽しめる名バトルでございました。

最後までお読みいただき本当にありがとうございました!
それでは、また。あさき夢の狭間にて ✿

  • URLをコピーしました!
ご案内